EV車 官民、普及の機運高まる 鍵はインフラ整備
二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出しない電気自動車(EV)普及の機運が高まる。民間企業では市内に本社を置く日産自動車が昨年12月、量産電気自動車「リーフ」の販売を開始したほか、充電器を設置した住宅の販売なども始まっている。一方、横浜市は昨年度から、EVへの乗り換えや充電器設置に助成を行うなど、電気自動車普及を後押ししている。
横浜市は昨年度から、電気自動車買い替え時の補助と専用充電設備の導入補助を実施。国や県の補助金を合わせると245万円ほどで購入できるEVもある。ガソリン車と比べると高めだが、「他市と比べても、横浜市の補助金額は特別に多い」と日産自動車の販売店は話す。
一方、インフラ面で見ると、現在、市内の公共充電器は70基。単純比較はできないが、これは市内のガソリンスタンド数の約5分の1に当たる。「(ガソリン車と違い)電気自動車は家庭で充電できる。外出先での充電器の整備と同時に、住宅での充電設備の普及が必要」と市環境創造局は話す。
また、市内に営業車を走らせる企業は「環境を考えると興味はあるが、充電時間やインフラ整備を考えると時期尚早という気がする」と導入に二の足を踏む。
今年度、市が受理した専用充電設備補助の申請件数は25件(昨年12月末時点)、昨年比18件増となる。そのほか、市でも今年度中に鶴見区役所など4区に充電器を設置する。
住宅設置課題検討へ
工藤建設(青葉区)が今月からEV付き住宅を販売するなど、民間でもEVを取り入れた環境配慮型住宅に注目が集まる。
市では昨年11月から既存の集合住宅への充電器設置の検討を、日産自動車とUR都市機構と共同で行う。課金、メンテナンス方法などを検証し、集合住宅の充電器設置の課題に取り組む。
市環境創造局では「車が先か、整備が先かという初期段階だが、普及に向けて整備を進めていきたい」と話している。
”EV先進県”を目指す神奈川県の先導役を担う横浜市。今後の課題は更なるインフラ整備にある。
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