横浜市 災害備蓄 全校で実施へ 避難所外54校にも2食分
横浜市では、地域防災拠点(避難所)に指定されていない市立の小・中・高校計54校に水や食料を備蓄することを決めた。これで市立の全校に備蓄が行き渡ることになったが、数量や管轄の問題など今後に課題も残る。
市立学校計513校のうち、地域防災拠点に指定されているのは全体の87%。小学校は343校、中学校は104校で計447校。ここには毛布、シート、簡易トイレなどの救護用品、紙おむつなどの生活用品、水、クラッカーなどが備えられており、災害時には地域住民も避難してくる。残る13%の中では、特別支援学校については独自に備蓄をしているものの、他の避難所に指定されていない54校には備蓄がまったくない状態だった。
市教育委員会では、昨年7月に学校防災計画の見直しを行っている。昨年3月の東日本大震災時には多くの児童・生徒が帰宅できず学校に残り、全員が帰宅できたのは翌日の夕方だったという。児童らを学校に残すか下校させるかの判断基準がないための混乱だったが、この見直しによって、震度5強以上の場合は原則として小中学生は下校させずに保護者の迎えを待つことになった。
今回備蓄するのは、54校全体で水とクラッカー約1万2千食分、アルミブランケット約6千枚、LED(発光ダイオード)ランタン約900個。災害時に学校にとどまる児童らは全体の2割と想定し、その2食分を用意することにした。7月中には配備される見込み。
分量に不安の声
今回の備蓄で全校配備が実現することになるが、避難所指定されている学校はすでに消防局の管轄で備蓄がされていたことに対して、避難所指定されていない学校は教育委員会の管轄でようやく備蓄がされることに。市教委では「下校させずに待機するとなれば、食料の備蓄が必要。引き続き学校の備蓄を充実させ、災害に備えたい」と話しており、備蓄量は増やしていかなければならないことを示唆している。また、一見充実しているように見える避難所の備蓄だが、多くの地域住民が避難してくることから「子どもたちに食料が行き渡らないのではないか(父母の声)」などの不安も上がっている。
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