米軍上瀬谷通信施設に広がる農地の一角。地下に掘られた計88もの「室(むろ)」の中ですくすくと育ったウドが、収穫のピークを迎えている。
ウドは、横浜市が定める「横浜ブランド農産物」に認定されている全30品目のうちの一つ。地下栽培のため、透き通るような白さが特徴だ。シャキッとした食感とくせのない味はファンも多く、収穫が始まる3月中旬以降、注文が集中する。
瀬谷区のウド栽培の歴史は戦後に遡る。旧日本海軍が資材集結所として建設し、使用していた上瀬谷基地を米軍が接収。その後再び解除と接収を繰り返し1968年(昭和43年)、栽培が認められた。通信障害のため米軍が建築物を制限した結果、地下栽培に適したウドが選ばれた。
「室」の中で成長するのは約40日間。畑で根株を太く育てた後、1月頃に植え替える。約75cmまで伸びたウドを8〜10本ずつ箱詰めし、出荷準備が行われる。
「現状維持できれば」
当初48戸あった農家は13戸に減少。家族でウド栽培を行う高橋功さんは、「高齢化が進んできた。環境が整わないと後継者を育てるのも難しい」と語った。
さらに今年6月の基地返還によって、栽培が続けられるかどうかが大きな問題となっている。上瀬谷出荷組合の青木和昭組合長は「現状維持できれば良いが、賃貸等の条件も変わってくるだろう。市の回答が出たら、組合でも話し合いを重ねたい」と話す。
市は明日27日(金)、同組合側に回答を述べる予定だ。
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