干し野菜でタッグ 「はま野菜工房」と「てんてん」
干すことでうま味や栄養が凝縮され、日持ちもするという「干し野菜」に注目が集まっている。NPO法人でっかいそら(飯田誠代表)=本部・瀬谷区瀬谷5の2の1=の運営する地域作業所「てんてん」=泉区和泉町=の利用者18人と、NPO総合教育サポート グレースファミリエの「はま野菜工房」がタッグを組み4月から、干し野菜の製造・販売に取り組んでいる。
昨年7月から泉区の中田南で干し野菜の製造・販売を行っていた「はま野菜工房」。しかし、今年の3月末で工房を閉鎖することになった。そこで新たな活動拠点と仲間を探していたところ、力を貸したのが「てんてん」だった。同所はもともと、障害がある人の就労支援などの一環として、キャンドルや入浴剤などの製造と合わせて、ドライフルーツなどの製造を行っており、協力の話はスムーズに進んだ。
活動の場に加え、製造経験者がパートナーとなり、工房は新しいスタートを切った。「てんてん」としても、同工房のアドバイスで製造できる種類が増え、「活動が広がっていく」と提携の効果を期待している。
障害者の就労支援にも
旬のおいしい野菜を加工するのが干し野菜の肝。5月15日には、トマトの加工を行った。利用者たちは野菜の加工経験があり、ヘタの部分を切り落とす作業はすぐに慣れて順調に進んでいったが、初めて扱う野菜でもあり、次の輪切りにする工程でやや苦戦した。
見た目だけを意識するなら電動スライサーを使うという方法もあるが、利用者にとっては危険を伴う。干し野菜の製造は、あくまで就労支援の一つでもあるため、切り方や作業量が利用者に無理のないやり方かどうかも重要となってくるという。
グレースファミリエの田中絵里子さんは「トマトはちょうどこれからが旬。種類としても一番ニーズが高い。初めて扱う野菜は一つひとつやり方を模索していきます」と意気込む。
これまで加工したのは、キャベツやホウレンソウなど約10種類。はま野菜工房の澤井香予さんによると、糖度や水分量によって乾燥させる時間は違うが、電気乾燥庫を使っても丸一日はかかる。だが、乾燥させることで野菜のうま味や栄養が凝縮され、生の状態よりもおいしい状態で日持ちするようになるという。
地元の野菜を活用
使用する野菜は泉区内の農家の協力を得て、見た目が不格好なB級品や採れ過ぎてしまったものなどを安く卸してもらっている。「泉区は農地が多い。泉区の野菜を使った干し野菜が価値のあるブランドになって、ゆくゆくは農地の活性化などにもつながっていけば」と田中さんは話す。
製造した商品は、毎週水曜日に泉区役所1階で販売しているほか、区内外の施設やイベントでも販売している。詳細・問い合わせは、グレースファミリエ【メール】gracefamilie@gmail.comへ。
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