横浜市ではラグビーW杯2019や東京2020五輪などの大規模イベントも視野に入れ、スポーツボランティアの育成・支援に力を入れている。今年度は横浜市スポーツボランティアセンターを新たに発足。現在は10月に行われる横浜マラソンの準備に向け、市民がスポーツに関われる体制づくりに取り組んでいる。
センターを発足
会場内の誘導・案内などスポーツイベントを「支える」スポーツボランティア。横浜マラソンは同センターを通して7月28日まで募集を呼びかけ、一般から2224人が集まった。しかし、定員の6800人のうちの半数以上は企業や大学、団体に頼らざるを得ない状況だ。同センター担当者は「スポーツボランティアに対する理解はまだ不十分なところもあり、一般市民への周知が必要。まずは『やりたいけどやり方がわからない』という人にアプローチすることが第一段階」と話す。
同センターは横浜市体育協会が運営する。公式ホームページ上でボランティアスタッフの募集・登録を行うほか、市内で開催される大規模スポーツイベントのボランティア情報を提供。また、研修会や講習会を行うことで、多くの人が活動に関われるよう支援する。
スポーツボランティア団体のネットワーク化を図る「日本スポーツボランティアネットワーク」(東京都)によると、同様の団体数は全国で160以上あり(2013年時点)、現在も緩やかに増加傾向にあるという。一方、過去10年間のスポーツボランティア参加率は横ばいで推移しており、まだまだ参加機会に乏しいのが現状だ。同団体は「東京五輪やラグビーW杯などを追い風に気運の高まりを感じている。横浜市がどのように取り組んでいくかに注目したい」と話す。
文化醸成図る
今後は来年5月に行われる横浜トライアスロンのボランティア募集を予定。そのほかに市体協が主催するイベントなどを中心に裾野を広げていくという。ラグビーW杯と東京五輪のボランティア募集に関しては、組織委員会が母体となるが、同センター担当者は「大規模大会の開催により、ボランティア文化を醸成し、スポーツを支える楽しさを広く知ってもらえれば」と話した。
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