市内の小中学生による「第22回 よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト」がこのほど開かれ、原中学校の渡邉早紀さん(3年)が最上位となる市長賞を獲得した。日本人とフィリピン人のハーフである自身の体験をもとに、差別のない世界の実現を力強く訴えた。渡邉さんは今後、「よこはま子どもピースメッセンジャー」などとして、国際平和活動に携わる。
市代表として国連へ
コンテストでは、貧困や飢餓の撲滅、環境保護、公正な社会など様々な切り口で子どもたちが国際平和への思いを発信する。市内の児童生徒およそ5万人の中から、区の予選を通過した36人(小学生と中学生で各18人)が本選に参加した。
渡邉さんは原中代表として6月の瀬谷区予選を勝ち抜き出場権を得ていた。また、瀬谷区からは小学生代表として原茉結菜さん(瀬谷小6年)も出場した。本選は7月25日と26日に西公会堂であり、中学生の部は渡邉さんと南区・永田中のイザディ アイナーズさん(3年)が市長賞。原さんは優秀賞だった。
自らの体験もとに
渡邉さんはフィリピンで生まれ、5歳の時に日本へ移り住んだ。スピーチ「一人の人間として」は、「私は人生で一度だけ自分の血を憎んだ事があります。それは今思い出しても少し辛い記憶ですが、同時に大切なことも教えてくれました」という言葉で始まる。小学校低学年の時に友達から「外国人、嫌だ」と言われて傷ついたこと。差別について悲しむなかで、別の友達の「文化の違いを乗り越えて結婚した親を持つ早紀は、どんな人でも仲良く出来る証みたいなもので、幸せなこと」という言葉が大きな支えになったと説明。この経験を踏まえ、お互いを分かり合おうとする人が増えていけば「差別が無くなり、世界が広がる」と呼びかけた。
人前で話すことは得意ではないが、何度も練習を重ねたことや、本番前に原中の全生徒の前でスピーチした経験もあって、緊張することなく本番に臨めたという。市長賞については「こんな大きな賞をもらうのは初めてなので驚いたけれど嬉しい」と振り返った。当日は父・正規さんと母・マリビックさんも応援に駆け付け、「自分以上に喜んでくれた」という。
今後の活動に意欲
コンテストに出場した36人は今後、「よこはま子ども国際平和プログラム実行委員」としてユニセフ協会の活動などに協力する。また、渡邉さんを含む市長賞の4人は「ピースメッセンジャー」として10月中旬に米国・ニューヨークの国連本部を訪問。アントニオ・グテーレス国連事務総長などとの面会を予定している。
今月22日には市庁舎でそれぞれの委嘱式を実施。渡邉さんは、「委員で作成するピースメッセージをニューヨークでもしっかり伝えたい。また、募金活動にも力を入れて、多くの人に協力を呼びかけたいです」と意気込んでいる。
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