要介護者の自立支援を推進する横浜市の「みんなにやさしい介護のプロを目指すプロジェクト」の2019年度表彰事業所がこのほど発表され、瀬谷区からは小規模多機能型居宅介護事業所オリーブ(三ツ境/吉田香子管理者)が選ばれた。施設の利用者が地域の講習会で講師を務めたり、利用者の笑顔を探す「にやりほっと」などの取り組みが高く評価された。
同プロジェクトは、高齢者が自立した自分らしい生活を送れるようにすることで、家族の介護負担を減らすとともに、介護従事者のモチベーションアップや、施設の人材確保につなげる狙い。制度開始2年目の今年度は、「地域密着型通所介護」と「小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護」の2部門で実施。書類審査と実地確認で、自立支援に積極的な27事業所が認証され、そのうち多彩な取り組みで実績を上げているとしてオリーブを含む19事業所が表彰された。表彰式は12月24日に関内ホールで行われた。
(株)アイシマ(本社/三ツ境)が運営するオリーブは2008年に開所。「通い」「訪問」「宿泊」の介護サービスが利用でき、現在は29人が利用している。
自立支援につながるとして評価された点が、利用者有志が講習会などの講師を務めていることだ。消防署向けの人権啓発研修では利用者自ら、「丸い手すりはつかみやすいけれど、楕円形のものは持ちにくい」「火災が起きたら準備体操せずに、階段での避難は難しい」などと説明。災害時要援護者に関する避難所体験会では、オリーブ独自の下肢体操をスタッフと実演した。講師を務めることで、地域との接点を持ち続けることができるという。
「にやりほっと」は県内有料老人ホームの事例を参考にした取り組み。職員が利用者との関わり合いで「にやり」とした心温まるエピソードを紙に書いて、専用の箱に投函して情報を共有する。1年ほど前に始め、これまでに700を超える数が集まった。仕事のやりがいが増し、利用者とのコミュニケーションも深まったという。
管理者の吉田さんは表彰について、「これまでの取り組みを振り返り、今後の目標を考える良い機会になりました」と話し、「これからも利用者の方々の『にやり』や『楽しい』という気持ちを、スタッフ全員で見つけていきたいです」と意気込んだ。
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