6月4日〜10日は、歯科疾患の予防や早期発見・治療について考える「歯と口の健康週間」。編集室では瀬谷区歯科医師会に、歯科治療の現状や取り組みについて取材した。
健康日本21の目標に
同会によると、「歯と口の健康」は、国民の健康増進を図るために厚生労働省が策定した「健康日本21」(第2次/2013年度〜22年度)の中で、6番目の目標に位置付けられているという。さらに「歯の健康」については5つの目標、合計10項目の数値目標が設定されている。
計画途中の評価では、「A=改善している」が、【1】歯の喪失防止【2】乳幼児や学童期のう蝕のない者の増加【3】過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加の3点。「B=変わらない」は、口腔機能の維持・向上。一方、「C=悪化している」が歯周病を有する者の割合の減少だという。
同会の菅原理事は「全体として改善傾向がみられます。特に歯の喪失、子どもの虫歯は減少しました」としながらも、「大人の歯周病の減少は改善されていません。また、歯科検診の受診率は増加しましたが、目標値に届いてないのが現状です」と話す。
歯周病を防ぐには
同会によると、歯周病は人類最大の感染症とギネスブックで紹介されている。”人類最大の敵”ともいえる歯周病は、虫歯と同じく細菌が大きく関与しているという。
「歯科疾患とは、細菌のつくるバイオフィルム感染症とも言えます」と菅原理事。バイオフィルムとは微生物の集合体で、数種の細菌がコミュニティを作って増殖した膜状のヌルヌルした塊。口腔内の細菌の塊である歯垢(しこう)(プラーク)もその一種で、「諸悪の根源は、歯垢(プラーク)すなわちバイオフィルムと言っても過言ではありません」と強調する。
とても大事という”プラークコントロール”のために同会が呼びかけているのが、歯科医院で頑固なバイオフィルムを除去することと、自宅で効果的な歯磨き習慣を身に付けることだ。「歯周治療をすると肺炎になりにくくなります。新型コロナウイルス感染症の感染、重症化、肺炎にも高頻度で口腔由来の細菌も関与してる報告があります」と説明する。また、糖尿病、肥満、認知症、脳血管障がいなど様々な全身疾患との関連の研究が進み、歯と口の健康と全身の健康は、切っても切り離せないことがわかってきたという。
大内会長は、同会が重視するのは”予防”の大切さだと言い、「かかりつけ歯科医院で定期検診を受けましょう。瀬谷区歯科医師会では、区民の皆様のお口の健康のために日々研鑽し診療しております。いつでもご相談下さい」と呼びかける。
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