神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鶴見区版 公開:2011年6月2日 エリアトップへ

横浜少年鑑別所の所長 阿部 政孝さん 港南在住 57歳

公開:2011年6月2日

  • LINE
  • hatena

雑音から守る周囲の力

 ○…人は集団から評価される役割を演じる傾向があり、そのために善悪の基準さえ崩れることがある―。大学で学んだ社会心理学で集団が個に及ぼす作用に興味を抱き、心理を専門とする法務技官として法務省矯正局に入省。全国の少年鑑別所長や省内インフラに関わる業務を経て、4月に横浜少年鑑別所長に就任した。「長年の経験を活かし、職員の知識向上に貢献する。非行相談など青少年の健全育成に関わり、地域との関係も大事にしたい」。定年までに残された3年間にかける想いは尽きない。

 ○…学校生活の挫折が起因することが多い少年の非行。「子どもの居場所は学校という狭い範囲。だからこそ、そこでの失敗は自分の核をも失いかねない」。部活動で脚光を浴びていた少年が、腕力を活かせる場所を求めて非行に走ることがある。その背景にあるのは自分を認めてもらいたい気持ちだ。「食い止められるのは家族や周囲の人。同じ目線に立って、新たな道筋を探すサポートをしてほしい」と切実に訴える。

 ○…一男一女の父親として、かつては子どもと密着した生活を送っていたが、中学生になった頃から単身赴任に。以来、それまでとは対照的に過度の干渉はせず、本人の意見を尊重するようになり、それが結果的に子どもの自主性を伸ばすことになった。「親は子どもの成長を理解し、接し方も年齢に応じて切り替える必要がある」と自身の経験をもとに語る。

 ○…肩を怒らせて鋭い目つきで入所してくる少年も、静かで明るい環境に身を置くと、数週間でその年頃らしい自然な表情に変わるという。「鑑別所には世間の雑音が届かない。一人で考える時間をもつだけで本来の自分を取り戻す」。だが、出所後は再び”雑音”に取り囲まれる生活が待つ。「大事なのは自分を保つ力」と語り、「そのためには自分が大切にされていると実感できること」。強さを導くのもまた、周囲の力だ。
 

鶴見区版の人物風土記最新6

熊谷 起一さん

市場西中町まちづくり協議会で事務局長を務める

熊谷 起一さん

市場西中町在住 75歳

4月25日

中西 実さん

鶴見警察署の署長に新しく就任した

中西 実さん

区内在住 57歳

4月18日

河原 公一さん

4月20日に「春まつり」を行う馬場花木園で園長を務める

河原 公一さん

馬場在勤 63歳

4月11日

鈴木 彩香さん

2023年度の横浜市男女共同参画貢献表彰で「ユース賞」を受賞した

鈴木 彩香さん

鶴見区出身 34歳

4月4日

池田 茂さん

青少年指導員として、インターネットの安全な使い方講座の講師を務めた

池田 茂さん

鶴見中央在住 60歳

3月28日

冨樫 剛一さん

2月から横浜F・マリノスユースの監督を務める

冨樫 剛一さん

横浜市出身 52歳

3月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 7月14日0:00更新

  • 7月7日0:00更新

  • 4月7日0:00更新

鶴見区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

鶴見区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月27日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook