鶴見区版 掲載号:2011年7月28日号
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横浜を舞台としたジブリ映画『コクリコ坂から』の主題歌『さよならの夏』を歌う 手嶌 葵さん 24歳

優しさを真ん中に歌を届ける

 ○…「まっすぐ前を向いて歩いていく女の子をイメージしてほしい」。レコーディングの前、宮崎駿さんからこんなリクエストがあった。『コクリコ坂から』の主題歌『さよならの夏』は、その駿さんが「映画ができる前に主題歌が見つかった」と惚れ込んだ曲。森山良子さんが35年前に発表したドラマ主題歌のカバーだけに「プレッシャーはありましたが、新たに自分が表現できるものは何かと考えた時、優しさが真ん中に来ました」。強さと悲しみを湛えた歌の世界は、静かな感動を呼び起こす。

 ○…宮崎吾朗監督の初作品『ゲド戦記』で主題歌『テルーの唄』を歌いデビューしたのは5年前。憂いを帯びた歌声は大きな反響を呼んだ。それだけに再び舞い込んだ宮崎監督からのオファーを素直に喜ぶ。「デビューの時、家族や友人など自分を支えてくれる人たちがすごく喜んでくれた。今回もきっと喜んでくれると思う」。実はデビュー直後、環境の変化に歌うことが楽しめない時期もあった。そんな時考えたのは「まずは自分が楽しむこと。そして歌を聴いてくれた人を笑顔にしたい」ということだった。歌い手として、人間としての確かな成長が歌声に一層の深みを与えている。

 ○…主題歌以外にも2曲の挿入歌を歌う。『初恋の頃』は主人公2人がお互いを意識しあう重要なシーンで流れる。近づきたいのに近づけない、そんなもどかしい距離をむしろいとおしむような歌詞に「すごく共感できますね」。はにかんだような笑顔が印象的だ。

 ○…出身は福岡県。これまでにも写真撮影やライブで訪れたことのある横浜の印象は「レトロな空気があっておしゃれ。都会なのに空が広いところも好き」。8月21日には神奈川県立音楽堂(西区)でのコンサートを控える。キャリアのなかでも重要な曲の一つとなるであろう『さよならの夏』。その舞台とも言える横浜で、より多くの人に歌声が届くことを願っている。
 

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