鶴見区長に就任し、行政をまとめる 征矢(そや)雅和さん 東京都稲城市在住 55歳
まちとつながる橋をかける
○…「これまでは10人くらいの部署だった。鶴見区は500人くらいで、さらに区行政のトップ。ずしっと責任重大」。市政策局政策部からの異動。初の区長職に身が引き締まる。「市内でも人口規模が大きく、活気がある」というのが鶴見の印象だ。就任後は地元へのあいさつに奔走する日々。「異動が決まって、いろいろな人に『鶴見は祭りが多くて楽しいよ』と言われた。今から楽しみ」と笑顔を見せる。
○…川崎市で育つ。早稲田大学卒業後、学んでいた土木系の民間企業に就職。全国で国道や橋の建設に汗を流した。「山奥に住み込む生活。年とったらできないかもと思ってね」。入庁は1985年。「川崎と比べて人口などが3倍。横浜の方が仕事がおもしろいと思った」。土木職での採用だったが、各局では主に企画セクションを担当。政策局では政策担当部長として、各部署のつなぎ役などもこなした。「区の事業などにも経験が活かせるはず」
○…妻と3人の娘の5人家族。「犬も女の子。肩身がせまいのはしょうがない」と笑う。旅行好きで、若いころは一人旅も。「橋造ってたから、構造物は気になる」と欧州建築を好む。ガウディの未完の名作「サグラダ・ファミリア」を称し、「平面図で書けない。普通の発想じゃないんだよなあ」と目を輝かせる。欧州へは毎年家族で旅行していたが、「区長になってどうか。難しいかもね」と苦笑する。
○…「やはりコミュニケーションが一番」。仕事への姿勢をそう話す。「プロとして真面目に仕事をするのは当然。でも、怖い顔つきで良い仕事はできない。時には力を抜いて、笑う瞬間も必要」。前の職場では嫌がられていたという「オヤジギャグもめげずに使っていく」と一笑。「区民と行政はもちろん、地元の意見を市につなげるのも区長の仕事」。真面目に楽しく、「地域の声をしっかり聞いて、良いまちにしたい」。鶴見に新たな「橋」をかける。
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