お釈迦様の誕生日を祝う「花まつり」などを主催する鶴見区仏教会の会長として精進する 宮田 隆伸さん 潮田町在住 49歳
身近で気軽な「仏教」に
○…区内の各宗派、32寺院が加盟する区仏教会。お釈迦様の誕生日を祝う「花まつり」の催しは、記録が残る限りで、戦後から続く伝統行事だ。「仏教の敷居を低くして、一般の人にも来てもらえるように」と、ここ数年は法要とコンサートなど、気軽なものを企画している。「今年は講談。堅苦しいものでなく、甘茶を飲んで、お釈迦様の誕生日なんだと、知ってもらうだけでいい」とほほ笑む。
〇…潮田町にある真言宗智山派・東漸寺の住職を務めるが、もともとは一般企業の社員だった。「普通のサラリーマン。広告営業をしていた」と笑う。僧侶になったのは、同寺の一人娘だった妻と一緒になるため。「180度以上違う世界に怖さはあった」が、結婚と仏教への道を選択。30歳で京都に修行へ行き、大学にも通った。「別の世界を経験したからか、敷居の高さや難しさはわかる」。住職になって8年。訪れる人にはフレンドリーに話しかける。
〇…長男、長女、次女の3人の父でもある。妻と2人、法事などの合間をぬっては、子どもたちの部活観戦に行くのが大好きだという。「来るなと言われても行っちゃう。長男は野球、長女はバスケ。中学になる次女もお姉ちゃんと同じになりそう」と、父親の表情を覗かせ、楽しげに話す。
〇…「会合や企画など、昔から当たり前のように続いている」という区仏教会の活動は、市内でも活発だと言われている。「宗派問わず、地域のつながりがあるのは大切。違うやり方を知ることで勉強になる」。2年となる会長の任期は、残り約1年。「もっと地域を大切にしていきたい。高齢化で檀家が減り、少子化で無縁墓も増える。宗派を越えて考えていければ」と思いを語る。その昔、村の中心として役所の機能もあった寺。「あそこのお寺に行くと落ち着くとか、あの住職は面白いとか、地域のコミュニティーの中心になれたら」。身近な住職が、その思いを伝えていく。
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