親子の居場所づくりに励む 原田 晴美さん 下末吉在住 66歳
子育て支える「おばちゃん」
○…「親戚のおばちゃんだと思って遊びにおいで」。自宅を0〜3歳の子どもと親に開放する「と〜とろの家」が、6月11日で10周年を迎える。「子育ては大変。母親が心地よい日々を送れないと、子どもは楽しめない。空間を変えるだけでも癒しになるのでは」との思いから始めたこの取り組み。開催日の毎月第2・4木曜日は、近隣の親子の憩いの場として親しまれている。
○…生まれは徳島県。結婚を機に鶴見へ越してきたが、「転勤族だったから子育てが大変。周りは知らない人だらけ。息子が病気になった時も頼みごとができなかった」。時には鬱病になるほど苦悩した。子育て環境の改善を目ざすようになったきっかけは、親子の居場所づくりに励んでいるNPO団体に出会ったこと。「現役のママが立ち上げたことに感動した。鶴見でもやりたい」と決意。大好きな映画「となりのトトロ」にちなんで自宅を「と〜とろの家」と名付け、子育て支援に尽力するようになった。「子どもは無防備に信頼してくれる。子育ての追体験をしているようで楽しい」とほほ笑む。
○…現在は夫と二人暮らし。おしどり夫婦の秘訣は、「ありがとう」の一言だという。「親しい知人の子が小さなことにも『ありがとう』を言っていた。真似してたら夫にも伝染しちゃった」と笑う。支えてくれる相方には感謝が絶えない。「と〜とろの日の朝には、寝具を片付けてくれたり、掃除機をかけたりしてくれる。予想外に楽しんでるみたい」と笑みがこぼれる。
○…「みんながゆっくりできる、困ったときに駆け込める場所になれば」。苦労したからこそ、子育て支援にかける思いは強い。「もう一つの家だと思ってほしい」との願いから、「と〜とろの家」ではイベントなどをあえて行わずに、フリースペースとして自由に利用させている。「来てくれる人がいる限り続けたい」。地域の子育て世帯を、「おばちゃん」は優しく見守る。
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