東京地方税理士会鶴見支部支部長として、租税教室などに力を入れる 庭野 章彦さん 鶴見中央在勤 55歳
繋がり大切に耳傾ける
○…区内約120の税理士が加入している東京地方税理士会鶴見支部。その長として、学生向けの租税教室や、無料税務相談をはじめとした税務支援活動に尽力している。商科大で開催した租税教室もその一環。ワークショップ形式で、学生が楽しみながら学べる場を提供している。
○…「親父の跡を継ぐつもりはない」。税理士だった父親にキッパリそう言って進学した先は、工学部の建築分野だった。「父への反抗心があった」と当時を懐かしげに振り返る。そんな学生時代、入退院を繰り返していた父が亡くなった。「反抗する相手がいなくなってね」。卒業後、父が建てた看板を受け継ぐべく、アルバイトをしながら猛勉強に明け暮れ、30歳で資格を取得した。何より大切にするのが、人とのつながり。「信頼がすべて。どれだけ顧客と同じ時間を過ごせるか」。時には飲んで与太話に花を咲かせ、時には経営再建に向け手を取り合う。真摯に顧客と向き合い、苦楽を共にしてきた。
○…仕事仲間らとのゴルフが何よりの楽しみ。「飲み・飯・ゴルフ。きっかけはなんでもいいから、顧問先と長く一緒にいたい。遊びと仕事、境目はないよ」と表情を緩める。経営相談においては「結果より、数字が出てくるまでの過程が大事。中まで踏み込むためにも、人となりを理解してもらうことが大切」と、語り口に熱がこもる。
○…支部長に就任して1年半が経過。来年3月で任期満了となる。「責任は重い。支部をまとめるには、こちらの意図をうまく伝えないといけない」。対外関係でも組織においても、相手を尊重する気持ちは変わらない。相続税の増税を控え、来年は多忙な一年となることを予想している。それでも、税理士会として無料税務相談は続けていく。「仕事があるから遊びも楽しい。少しでも地域の役に立つことができれば」。まちの税理士として、区民の悩みに耳を傾ける。
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