神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鶴見区版 公開:2019年1月1日 エリアトップへ

現役の人形作家として活躍する 小池 緋扇(ひせん)さん 馬場在住 91歳

公開:2019年1月1日

  • LINE
  • hatena

忘れられない感動を求めて

 ○…延べ130万人の愛好家が所属する財団法人人形美術協会の本部主任教授、常任理事を務める。講師となって60年超、「生徒のため」と全国を飛び回る中、ずっと銀座で開いてきた人形展。昨秋、初めて地元・鶴見で開催した。来場者からハグや握手を求められたのは初体験だった。「座る暇がなかった」。観た人の素直な反応に、「ともに喜べた」と充実感を漂わせる。

 ○…生まれも育ちも鶴見。人形遊びが好きな子どもだった。小学校5年のとき、教師が通信教育で作った日本人形と出会ったことが、作家人生の始まりだ。「どうしても作りたい」。夏休みの間、毎日のように教師宅に通い、1カ月かけて日本人形の「藤娘」を作った。記念すべき1体目。持ち帰ると、父に母、兄に妹、みんなが見たいと奪い合った。「父はその人形を肴にお酒を飲んだりしてね」。自分が感動させたという、説明のつかない高揚感。あの時の嬉しさが、人生を決めた。

 ○…その技術を認められ、東京人形学院の講師として最盛期には都道府県に生徒がいた。「講師の先生」だった。90歳を超えた今も、週に4日、代々木と宇都宮に教えにいく。「好きだったから続けられた」。人形作りが息抜きだと言い切る。悩みや嫌なことも、没頭することで忘れられるからだ。「あとはオシャレ。明日何を着ていくか考えるのが楽しい」。可愛げに微笑む。

 ○…20年ほど前、愛した夫が他界した。自宅では極力控えていた製作。「私に人形づくりをさせるために早く死んだのかな」。そう思い、後悔したこともある。それでも、覚めなかった人形愛。家族のためにも生涯現役を貫くつもりだ。「これからは故郷、横浜・鶴見に恩返ししたい」。人形とは一心同体。内側から聞こえる声に耳を傾け、生きる様を形にしていく。

鶴見区版の人物風土記最新6

熊谷 起一さん

市場西中町まちづくり協議会で事務局長を務める

熊谷 起一さん

市場西中町在住 75歳

4月25日

中西 実さん

鶴見警察署の署長に新しく就任した

中西 実さん

区内在住 57歳

4月18日

河原 公一さん

4月20日に「春まつり」を行う馬場花木園で園長を務める

河原 公一さん

馬場在勤 63歳

4月11日

鈴木 彩香さん

2023年度の横浜市男女共同参画貢献表彰で「ユース賞」を受賞した

鈴木 彩香さん

鶴見区出身 34歳

4月4日

池田 茂さん

青少年指導員として、インターネットの安全な使い方講座の講師を務めた

池田 茂さん

鶴見中央在住 60歳

3月28日

冨樫 剛一さん

2月から横浜F・マリノスユースの監督を務める

冨樫 剛一さん

横浜市出身 52歳

3月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 7月14日0:00更新

  • 7月7日0:00更新

  • 4月7日0:00更新

鶴見区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

ハープで名曲奏でる

みなとみらいホール

ハープで名曲奏でる

4月27日にコンサート

4月27日~4月27日

鶴見区版のイベント一覧へ

コラム一覧へ

鶴見区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook