豊岡商店街協同組合の理事長を務める 堀江 幹雄さん 豊岡町在住 70歳
「みんなの町」作りたい
○…道路愛護などに貢献したとして、国土交通大臣表彰を受けた豊岡商店街協同組合。「結構立派な表彰状が届いたよ」。父も以前「現代の名工」として国から表彰を受けたことを思い出した。「以前は父が、今回は町が受賞して、俺は別に何もやってない」といつも謙虚な姿勢だが、「人が歩き辛いところで商業が栄えるわけがない。景観含め、大事にしなければ」と商店街への思いは強い。
○…明治末期から版木屋として営業しており、今は印章を扱う堀江千里堂の3代目。徒歩1分ほどの豊岡小に通った。就職時、サラリーマンになった友人の初任給と比べ、「ハンコ屋をやった方が儲かる」とこの世界に飛び込んだ。しかし、実際は厳しいことも多く、「父だから稼げていた。覚えるのに時間もかかるし、苦労したよ」と苦笑い。それでも「お前に頼んで良かった」の言葉をもらうため奔走してきた。作る印章は一つひとつ手書きの職人技。通販など行わず、足を運んでくれるお客さんを大切にする。「手で作ったものは、比べてみると全然違うんだよ」と話す目は少年のようだ。
○…趣味は読書。長編、短編問わず、時代物を読む。「カタカナよりも漢字は読みやすい。文芸部だから」とにやり。詩も好きで「著者の人柄が出る。自分に合う合わないを感じるのも楽しいね」。
○…住人、特に子どもたちに「自分の町」という感覚をどうやって持ってもらうかかが今後のテーマ。「チェーン店も増え、店長は異動で変わることも多い。仕事は都内で地元は分からない。そんな人たちを巻き込みたい」。企画時も多くの人に声をかけ、協力の手を増やしてきた。「一人じゃできないから。みんなが得意分野を活かせば大きな力になる」。その謙虚な人柄で多くの人を巻き込み、みんなの町を作っていく。
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