近隣の学校で絵画や染め物などを子どもたちに教える 村松 緑さん 朝日町在住
伝えたい「桜梅桃李(おうばいとうり)」
○…自宅近くのアトリエで絵画教室を開く傍ら、近隣学校へ訪問。このほど、鶴見小学校で叩き染めを指導した。「染め物は手間もかかるしすぐには色付かない。でもそれがいい」。アトリエには自然の柔らかい色で染められた小物が並ぶ。「芸術は必要ないものと思われがちだけど、想像力や壁にぶつかった時に立ち直る心の体力を作ってくれるもの」。はつらつとした口調に柔らかい笑顔が印象的だ。
○…彫刻家の祖父、画家の父をもつ芸術家一家。自身も芸術の道に進んだ。「親の苦労を見てきたから、自分はならないって思ってたんだけどね」と笑う。制作は自分と向き合う孤独な作業。外に出て人と関わりたいと、地域のモニュメント制作など進んで行ってきた。「喜んでもらえると、それが嬉しくて。制作にも良い影響を与えてくれた」。子どもが3歳になった頃、絵画教室を開始。「元気がなかった子も授業後には楽しかったって帰っていく」。芸術が与える子どもたちへの影響を実感した。
○…自宅近くに教室とは別にアトリエを借り、そこで制作活動を行う。「死ぬまで出品は続けたい」。息抜きは読書。小説や哲学書など幅広く読む。展覧会や個展に行って友人と交流することも楽しみだ。娘が入船公園で働く縁で、2年ほど前から同園のスケッチ、草木染め教室の講師も担当。「桜にタデアイ、あそこは宝の山」
○…大切にしている言葉は”桜梅桃李(おうばいとうり)”。「芸術には答えがない。10人いたら10人全てが正解。みんなそれぞれの良さがあることを伝えたい」。最近では住民からもらったひょうたんを生徒たちと色付けるなど、継続して交流を深める。「いくらでもアイデアある」。芸術を通し、黄梅桃李を伝えるため、奔走する。
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