聖ヨゼフ学園中学・高等学校の校長に就任した 多田 信哉さん 東寺尾在勤 51歳
思いやりと、感謝と
○…今年、年齢は違えど、同期という立場だった前校長からバトンを受け継いだ。「温かく見守ってくれる、本当にできた方で。初めは不安もありました」。就任の挨拶では、緊張感と感謝で言葉が詰まる場面もあった。そんな時に生徒たちから投げかけられた「先生なら大丈夫」という言葉。「相手の立場に立って考える自慢の生徒たちです」。言葉尻から学校への愛が漏れる。
○…旭区出身。中学で励んだハンドボール。高校では、同部がなかったため、立ち上げを経験。背中を押したのが担任の教諭だった。「やりたいことを尊重してくれる人で」。その姿が教師を目指すきっかけになった。縁あって26年前に学園へ。初めは「ごきげんよう」という挨拶に慣れなかったが、その言葉には、まず相手をおもんぱかる気持ちがあるということに気付いた。「次第に居心地良さを感じるようになって」。ミサの際には、バス代を我慢してコツコツ貯めたお金を献金する生徒の姿も見た。「損得考えず相手の立場に立って、自分ができることをする。そんな子たちが多いんです」
○…趣味はスポーツ観戦。コロナ禍前は、息子とともに観に行くことも。上末吉に住んでいたことがあり、周辺をよく散歩した。「梅月」という和菓子屋がお気に入りで「まんじゅうが美味しかった。久々に食べたい」と笑顔を見せる。
○…真面目で誠実な教諭たちに囲まれ、「贅沢な環境。恵まれています」と感謝する。生徒に伝えたいのは幸せならぬ、”仕合わせ”を感じる人になること。「仕合わせは一人では感じられない。自分も他人も肯定し、相手の喜びを自分の喜びと捉えることで感じられるもの」。感謝と思いやりの心で、生徒たちを導いていく。
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