4月11日に清水湯で開かれる花見イベントを企画した 高橋 政臣さん 潮田町在住 37歳
斬新さ武器に家業受継ぐ
○…まもなく自身が運営する清水湯に桜が咲き乱れる。銭湯で楽しむ花見企画を4月11日に開く。初回は、脱衣所に桜を挿した花瓶を並べる程度だったが、50人ほどが集まった。「当時は銭湯の存続が危うい状態でしたが、もう少しがんばってみようと思えた。営業を続ける覚悟を決める一つのきっかけになりました」と振り返る。
○…1949年に創業した清水湯の3代目。5年ほど前、東京でのホームページ制作の仕事を辞め、父から受け継いだ。父は設備の老朽化や常連客の減少などを理由に店じまいを考えていた。「子どものころからあった場所だったので、全く関わらない内に無くってしまうのは納得できなかった」。現在は8人ほどのスタッフと営業を続ける。「実際にやってみると、昔から見ていた仕事風景が蘇り、懐かしい気持ちになりました。スタッフには勤続何十年のベテランもいて、皆協力しあっている」
○…独創的な発想力がある。花見イベントの企画のみならず、銭湯に併設する自宅で、シェアハウスも運営している。「銭湯を存続していくための一事業として始めた。他でやっているところはないのでは」。常に頭の中でアイデアを練っており、「考え事をしている時間は長い」という。熟考する頭と体のバランス調整に欠かせないのが中国武術。パソコン仕事だったころ、健康のために初めて以来、約10年続けている。「しなやかな動きができると気持ちがいい。何千年も前に考えられた型が、どんな風に作られたのか思いをはせるのも楽しい」
○…人情味ある地元が好きだ。「昔から商売をやってきた人同士が、利害関係を超えて支え合っている。昔ながらの雰囲気が気に入っている」。そんな地域からの銭湯への期待は熱い。「新たな取り組みを応援してくれる人もいる。銭湯は事業として続けるには厳しさもあるが、できる限り長く続けていきたい」
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