設立40周年を迎えた卓球チームT.Tクラブを、創成期から支え続けてきた 平井 洵子さん 佃野町在住 77歳
仲間支えた「和」のラリー
○…「あの頃はママさんのスポーツなんてほとんど無かった」。女性がなかなか家庭の外に出られなかった40年前、それだけにニーズは高かった。設立間もない頃に加入し、約20年にわたり代表としてクラブをまとめ上げてきた。卓球チームとしては区内「最高齢」。長寿の秘訣は「上手な人同士で練習するのではなく、全員で。和を大切にしてきた」と節目に胸を張る。
○…幼いころは泣き虫だったが、中学校ではじめたソフトボールや度重なる転校で精神的にたくましくなった。休み時間には男子に混ざって三角ベースや木登り。「中学校の先生には『ミス・ターザン』とあだ名をつけられるほどおてんばでしたよ」とにこやかに語る。卓球との出会いは大学2年の頃。後輩に誘われ入部すると、奥の深さに魅了された。「どこに打てばいいのか自分なりに考えるのが楽しくなった」。結婚後やむなく競技から離れていたが、結成されたばかりのT・Tクラブのチラシを手にし、迷わず門を叩いた。「練習場も無い状態。分担制で一人の負担が大きくならないように心掛けた」。すぐさま代表に就任、クラブを組織化し土台を作り上げた。
○…小物作りが趣味で、自室にはお手製の袋物がズラリ。「布工房洵」という教室を構え、約20人の指導にあたる。知人から古布を渡され、製作を依頼されることも。「設計もずっと自分で考えて、突然ひらめく。今は卓球よりこっちが有名かも」。自慢の手作り鞄を見せ嬉しそうに語る。
○…「嫌な人を排除すれば人は減る。誰でも受け入れないと」。設立以来大切にしてきた和の精神は、いまでもチームに引き継がれている。28年間務めた鶴見区卓球協会の事務局長職も降り、今は育ててきた後継者たちを見守る立場となった。部員には同協会の役員を担当させ、チーム一丸で鶴見の卓球界を盛り上げている。「クラブの50周年を見届けて引退できれば」。功労者は優しく微笑んだ。
|
|
|
|
|
|