国際交流ラウンジの館長を務める 日下 晋輔さん 鶴見中央在勤 48歳
国を越え”多”に寄り添う
○…多文化共生のまちづくりを進める拠点となるラウンジの館長に就任し、3カ月。「こんなに多文化で面白い街だとは、驚いた」と鶴見の印象を語る。「様々な国のスタッフが、自国からお土産にお茶を買ってきてくれて楽しみなんです」と笑顔を見せる。
○…中学時代の担任の影響で、持った夢は教師だった。「叱ってもすぐ元に戻る。後腐れない、人間味のある先生で」。海外にも興味があり、学生時代は30カ国以上を巡った。危ない、貧しいイメージだったフィリピン。「確かに貧しいが、皆夢を持ち、目が輝いていた」。価値観が崩壊し、自身の夢の先を考えた。「皆を基準に、皆に
寄り添う教師になりたい」。富山の高校で教師として勤めた後、シンガポールの日本人学校で教えた。常に生徒と触れ合い、職員室に戻ることはほぼなかった。「なぜ昼食はクラスでとるのか」という生徒の意見を尊重し、学校全体で昼食をとる輪を作った。「生徒を形式で押さえつけたくなかった」
○…「今までは子ども皆のためだったが今度はわが子のためにと思って」。帰国後、妻が妊娠したことをきっかけに退職。ラウンジには母体・市国際交流協会のセミナーに通っていた縁もあって就職した。「年に2回は海外へ行き多文化の料理に触れる。できるだけ子どもたちの中にある国の壁はなくしたい」
○…利用者の中には、中学3年生で来日し、ラウンジで学び、市の職員になる中国人がいる。「同郷の人が一番頼りになる。こういう芽を育てたい」。人材育成の拠点にもなるラウンジ。まだまだ知られていないと感じることも多い。「まずは来て、面白さを感じてほしい」。多文化の魅力を知る先生が、共生の道筋を作っていく。
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