鶴見邦楽連盟の会長として日本の伝統芸能を広める 藤間 勘淑翠さん(本名:横田和子) 佃野町在住 77歳
伝統の新風を鶴見に
○…雅楽、尺八、箏など日本伝統の芸能を受け継ぐ鶴見邦楽連盟。1990年に設立以降、次世代にその思いをつないできた。「前任の会長はじめ、皆さん立派な方々ばかり。私でいいのかと」。昨年末に打診を受けたときを振り返る。会員は現在、各芸能の道を行くおよそ30人。自身は藤間流日本舞踊の教授として後進を育てる。「どなたかがやらなければならないこと」。覚悟を決め、先頭に立った。
○…広島生まれ。和裁の講師だった母のもと、着物に囲まれて育った。日舞には6歳のとき、習いごととして出会った。「年に一度の虫干しのときは、蓄音機をかけて、勝手に羽織って踊ってね」。着物が好きで、ずっとかかわりたいと思っていた。結婚を機に夫の転勤で上京。着付け講師をしていたこともある。踊りから一度離れたが、30代後半で再び稽古をはじめた。「日舞に救われた」。交通事故に遭い、ひどかった後遺症が、踊りで良くなった体験も持つ。
○…日舞とともに習った茶道が趣味。着物を着せるのも好きで、入学式や成人式、祝いごとのたびに、弟子や知人などに着付ける。「幸せのおすそわけね」と満面の笑み。10月には、京都で孫の七五三を行う予定。「着付けてあげるのが楽しみ」と祖母の顔ものぞかせる。
○…伝承する重要性を説きつつ、「新しい風が吹かないと雰囲気が変わらない」と柔軟な姿勢も見せる。弟子主体の企画が2年連続で中止になったことを受け、冬の師匠主体企画と合同にする計画も進行中。「小さいころから興味や楽しさを感じてもらおうと、子ども向けの体験会もいい」。気軽に触れられる伝統に。「常に門戸は開いてますよ」。新たな和の風を鶴見に吹かせる。
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