汐田総合病院などを拠点に、ソーシャルワーカーとして活躍する 松尾 ゆかりさん 矢向在勤
届かぬSOSを求めて
○…「ベビトレヨガを始めて」「実は無料塾のような学習支援もやっていて」。形にしてきたアイデアを説明する姿にバイタリティが満ちる。まちづくりに関する取組を進めようと、汐田総合病院などを運営する(公財)横浜勤労者福祉協会が立ち上げたまちづくり部の事務局長に、この春就いた。コロナ禍で始めた食料支援もその一つ。「SOSを出せない人から順に支援したい」。それがモットーだ。
○…関西出身。病気などで生活課題を抱える人を支援する専門職・ソーシャルワーカーとして、長年様々なケースに向き合ってきた。患者、行政、医療、福祉関係者など、いまだに多くの相談が寄せられるが、「最初は名前も知らなかった」と笑う。原点は親友。大学で専攻を決める際、目指していると聞き、「便乗した」。精神病院での勤務などを経て上京。思いついたら動く性格という言葉通り、ゆかりのない土地でも興味のまま東奔西走。精神科を開設したい同法人から誘いがかかり、1994年、鶴見にたどり着いた。
○…夫と二人暮らし。忙しい毎日だが、「うるさく言わないから助かる」とほほ笑む。リフレッシュは銭湯。「ふらっと寄りぼーっとする」。月に2回は行く。家にこもるより出る方が好きで、気分転換に映画館に出かけることも多かったが、「コロナで行けていない」と嘆く。
○…感染対策で制限の多かった昨年、コミュニティデザインの本を読み漁った。培ってきた人脈。結びつける役割が果たせると感じている。「難しいケースほど一人だと支援者が潰れちゃう」。仲間を増やす大切さは知っている。医療だけ、福祉だけでない、その人の暮らしを支えるため、届かないSOSを拾いにいく。
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