増全寺の第三十九世住職に就任した 香川 陽祐さん 中新田在住 39歳
寺も住職も地域とともに
○…建て替えていた本堂の完成と同時に、住職も代替わりへ。850年以上地域と歩んできた歴史ある寺を、父である先代住職から引き継いだ。晋山式を終え、「身の引き締まる思い。今あるものを守っていき、これまで以上にしっかりと仏事に取り組み、檀家様だけでなく、地域にも根ざしたお寺にしていきたい」と語気を強める。
○…「寺の子ども」という一般家庭とは違う境遇に戸惑いを感じる時もあった。しかし、高校時代から寺の手伝いをする中で、檀家から「あなたが居てくれれば大丈夫ね」などと声を掛けられるうちに、自然と仏道を歩み始めた。仏教専門の大学に進学すると、同じ境遇の同志ができ、迷うことなく修練を積むことができた。「終わる頃には心身ともに磨かれて真摯な気持ちでしたね。達成感があった一方で寂しさもありました」と懐かしむ。
○…中新田小・海西中時代はサッカーに明け暮れた。今の姿からは想像できないが、当時は目立ちたがり屋だったという。「特別な意味もなく、生徒会長に立候補したりもしましたね。ただ、人より前に出たかった少年でした」と微笑む。この頃、父は住職の仕事があったため、学校行事やサッカーの試合などには来られなかった。そんな多忙の中、欠かさず行ってくれたのが年に1回の家族旅行。今は自分がその立場になり、忙しない合間をぬって家族サービスを忘れない。「子どもの時の記憶はよく覚えていますね。この立場になって、あの家族旅行は本当に有難いものだったと思いますし、同じようにしています」
○…今年は地元を守る消防団の団長にも就任。寺として、檀家だけでなく地域との深い付き合いを目指そうという姿勢は、こうした活動からもうかがえる。「寺は何百人もの檀家様から支えられてきた。私としては、地域の一人の人間として、自分も支えになる存在になっていきたい」と決意を新たにする。
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