東日本大震災以降、100回を超える災害ボランティア活動を続ける 石橋 友晴さん さつき町在住 61歳
「3Kも好きでやります」
○…2011年に起きた東日本大震災。テレビ報道を見て「あぁ、なんかしなきゃ」と何かを考えることなく言葉が出てきた。震災から1カ月後、ボランティア要請が始まるといち早く応募し現地へ。津波により流されてきた魚の死骸やヘドロの臭い、そこにうじ虫やハエが大量に発生している場所へ毎週のように足を運び、その様子を目の当たりにした。「きつい、汚い、危険といわれる3Kの活動に対しても誰も文句は言わないですね。やらなければいけないことなので」
○…旅行先の飛行機で事故に見舞われた時に、救急活動に触れた。突然の急降下でシートベルトを着用していなかった人が宙に舞い、目の前に落ちて意識を失った。搭乗員らが救命措置を行い、一命を取り留めた一方で「自分は見ているだけで何も出来なかったのを覚えています」と唇を噛んだ当時の事を忘れない。
○…福岡県出身で高校卒業後は大手自動車メーカーに就職と、被災地に所縁があるわけでなく、災害ボランティアのプロでもない。それでも自然に体は動き、現在も尚、災害ボランティアへの活動は続く。「『4年も経っているのにまだやっているの?』なんて不思議そうな顔で言われることもありますよ」と話しながらも、自分の表情は覚悟を決め、それらの言葉は心に届かない。
○…生活支援や漁業支援など様々なボランティア活動の中のひとつで現在も続けている「写真洗浄」。震災後、建物内は避難所等として使用されていたため、駐車場でブルーシートを広げ、泥の中から取り出しキレイにした写真などを並べていると、涙ながらに遺品を探す女性の姿。「子どもの写真が無く、遺影の写真すらも見つからないという事でした。この時にグッときましたね」と上を見上げ思い起こす。「100回を超えたからと言って記念でも何でもない。まだまだやることがありますよ」と目に力を込めた。
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