市内唯一の「もやし店」の代表を務める 石室 重一さん 上今泉在住 64歳
人も食物も自然体が一番
○…市内下今泉にある「(有)石室もやし店」が創業60年を迎えようとしている。父が起業し、学生時代から携わっていたこともあり、当然のように2代目を継いだ。もやし製造に大型機械を導入し、大量生産する大企業が参入する中、昔ながらの手法で、消費者へ食の安全と安心を届ける。「できるだけ”自然”にこだわりたい」と笑顔で話す。
○…もやし栽培は、午前3時に起きて明け方から仕事に取り掛かる。特に意識を置くのは「種の洗浄」。もやしはビタミンCが豊富に含有されている一方で、20種類以上の菌を持っている事でも知られている。安全・安心を掲げる同店にとって、この仕込み作業は重要で子どもの頃から父の背中を見て、体で覚えてきた。
「手作業が大変だからと言って、美味しさや安全を左右する仕事で手を抜くことは許されない」と力説する。約1週間で成長するもやしは、出荷に合わせて作業を欠かせないため年間の休日は元旦のみだという。
○…妥協をしない精神は学生の頃に身に付いた。高い運動能力を持っていた少年が夢中になったスポーツが野球。甲子園を目指すため、進学した強豪校では、厳しい練習でも、やるべき目標に対しては徹底的に取り組んだ。夢は叶わなかったものの実力はクリーンナップに入るほどだったという。「親に高校野球をやることを反対されましたけど、いずれ家業を継ぐようになるから自由にさせてもらっていましたね」と懐かしむ。
○…高校卒業後は野球をきっぱりと辞め、大学へ行く前に配達作業を手伝うなど仕事に勤しんだ。代表になってからは、今泉小の職場体験などを受け入れや、青年会議所の立ち上げ、商工会議所青年部で手腕を振るうなど地元活性の一役を担ってきた。現在も海老名を含む県央4市の学校給食でもやしを配食している。「地域活動の大切さは多くの経験を通じて体得した。出来る限り続けていきたい」と前を見る。
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