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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2011.02.18

3月からの傾聴講演会を主催する傾聴グループ「聞聴」の会長
堀 保之さん
海老名市柏ヶ谷在住 66歳

常に好奇心を持って

 ○...「妻に言わせると決して人の話を聞くタイプじゃないらしいよ」。介護施設などに足を運び、話すことがたくさんありながら、話す相手がいないという悩みを抱えているお年寄りの話に耳を傾ける「傾聴」。そうしたお年寄りの聞き役になるボランティアグループ「聞聴(きき)」の会長として3月からえびな市民活動サポートセンターで傾聴講座を開き、活動への理解と会員の増強を目指す。

 ○...傾聴ボランティアを知ったのは一昨年の公民館講座。定年を機に人の話を聞く傾聴を学び、妻とのコミュニケーションを円滑にしたいとの思いから参加したのがきっかけ。受講するにつれ、ますます進む高齢化社会の中で傾聴の必要性を痛感した。講座を受講後、「せっかく学んだのだから何とか生かしたい」と同じ志を抱く参加者数名でグループを立ち上げた。

 ○...立ち上げ当初2ヵ月経っても傾聴に出かける人は出てこなかった。「施設はどんな所?」、「何を話せば?」と悪いことばかりを考えてはじめの一歩が踏み出せなかったと当時を振り返る。会長の自分が「まず動かなければ」と、3ヵ月経った頃、縁があったデイサービスを訪れた。初日は手から汗が出て動悸も激しくなり、自己紹介してその後の会話に困ってしまった。ところが偶然、隣に座った話好きのお年寄りが魚雷の進み方など、戦争の話をし始めた。「だれでも長い人生経験の中で話したいハイライトがあるはず。その人生のハイライトを引き出せば後は心を開いてくれる」。お年寄りの「次回が楽しみ」の笑顔が何よりの励みに。

 ○...趣味の尺八は学生時代から今も続けている。ほかにもブログや里山の保存活動、会報づくりに料理と「昔からいろいろ手を出す性格でね。自分から求めないと何も始まらない。きっといつか道が開けるはずだからね」。高齢化が進むにつれて必要性が高まる傾聴。声なき声に耳を傾ける活動が今、求められている。

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