「海老名おわら四季の会」の代表を務める 浜野 勝利さん 国分南在住 69歳
柔軟な心で伝統守る
○…富山県八尾町で9月のはじめ、三味線や胡弓の音色に合わせて3日3晩踊りが繰り広げられる「おわら風の盆」。その伝統芸能を海老名に広めようと活動する「海老名おわら四季の会」の代表を務める。「素人の集まり」とはいうものの、会のメンバーと2カ月に1度、稽古のため八尾に通い、今では八尾に一軒家を借りるほどに。おわらへの真剣さが認められ、現地の人たちから信頼を得るまでになった。「あいさつしてもらうまでに3年かかったけど」と目を細める。
○…10年前ほど前に風の盆を見て、その独特の三味線の旋律にすっかり魅了された。「八尾の人は天上と交信するという。その神聖さにはまった」。越中おわら節同好会に身を置きながら、自治会長だった2000年、街の活性化のために地元ホテルと海老名おわらの前身となる「えびな風の盆」を初開催。市道を通行止めにして行った初開催から、震災翌日の第10回公演などここまで来るには金銭面だけでなく、さまざまな苦労と障がいを乗り越えてきた。「おわらが好きなんですよ」。その一言がすべてを物語る。
○…父親が開業した洋服店の2代目。「正直跡継ぎなんて嫌だった」。音楽が好きで将来は「N響」を夢見る青年だった。20代後半、もともと和の芸が好きだったこともあり、三味線や民謡を習う。20数年前に津軽三味線をロスで演奏する機会に恵まれた際には「日系の方が日本人より日本文化を大事にしていることに驚き、感激したのと同時に負けていられないと思った。そこで客にどう見えるかの大切さもを学びました」
○…「基本はしっかり守る。でも伝統というのは、同じものを守るだけのものじゃないのでは」。海老名の昔話を取り入れた創作おわらにも力を入れる。「今年はエレキとコラボした演出にも挑戦します」。タブレット端末を器用に操作する姿にも新しいものを積極的に取り入れる柔軟性が垣間見えた。
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