座間録音奉仕グループ「泉の会」で40年以上活動し、研修担当も務める 青木 なさ美さん 座間市座間在住 78歳
幸せ願い声を届ける
○…視覚障がいをもつ人に「広報ざま」などを読み上げた録音データを提供するボランティアを40年以上続ける。17日から3年ぶりに始まったボランティア養成講座では、担当者として技術はもちろんのこと、やりがいについても伝える。「コロナ禍で久しぶりの開催だったが、お断りする方もいるほど多くの応募があり嬉しい。これまでの経験を生かして後進の育成を頑張りたい」
○…「40年もよく続けてきたなとは思うが、楽しくて辞めようと考えたことは一度もない」。今も共に活動する中野昌子さんに誘われ、当時3歳の娘をおんぶしながら始めたボランティア。主観を排し、正しく伝わるよう読むのは至難の技。文章にとどまらず写真や図、取扱説明書まで多岐にわたる。「1ページの図をどう説明するか1日悩むこともある」。その過程こそがやりがいだ。
○…幼少期に文章に触れたり、読み聞かせを受けた記憶はほとんどない。母親の故郷である長野県上田市に疎開し「食べていくのがやっと」の生活。海軍兵として出征していた父が帰還してきても「人が変わったよう」で葛藤した。「戦後の苦しい記憶が、今でも人生観の根底にある。平和な世の中になっても『困っている誰かの助けになりたい』と自然に相手の幸せを考えている」
○…子育てに奔走していたとき、仕事を再開したとき、父親を介護し看取ったとき、両立が難しい時期は幾度となくあったが、辞めるという選択肢はなかった。録音室に来て仲間と顔をあわせて活動すると、たとえ悩みを打ち明けずとも心は晴れた。「ボランティアをしていると、家族や仲間、周囲の多くの方に支えられて生きていると強く感じるんです。活動は声が出る限り一生続けたいですね」と微笑んだ。
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