真打噺家・林家たけ平のちょいと一服
(二)まずは、落語誕生のお話
先日、小学校で落語口演した時に質疑応答がありました。その時に「たけ平さんはこの仕事をしていて将来に不安がないんですか?」と言われました。
こりゃ自分自身も笑ってしまいましたが、そうか、それならば、落語というものがどれだけの歴史があるのか、そこからお話をしなければいけないと思いまして、落語の構造の話より、まず、今日は落語誕生の話をいたします。
落語はそもそもは、戦国時代に誕生。殿様が「何か巷で面白い話はないか?」と問われた時に御伽草衆なるものが殿様に近づき、巷の面白い話をして笑わせたのが始まりで、この御伽草衆が落語家のいわば先祖です。
それから時が経ちまして、江戸時代に入りましてからは、いわゆる職業落語家なるものが誕生をして、お客様からお金を頂戴して「落とし噺」(オチのある噺のこと)をするようになりました。
オチがついたことから落語になったのです。
落語と同じ寄席演芸に講談というのがあります。
これは歴史の軍記を語る一席で釈台なるものを前へ置き、張り扇というものを叩きながら話を進めていきます。軍記からお客様も聴いていて学ぶことが多い。
ですから、よく昔から「講談聴くとタメになる。落語を聴くとダメになる」なーんて言われてしまうわけです。
いえいえ、落語もですね、案外タメになったりします。
今日はまずは基本、落語誕生の歴史をお話しました。
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