市立川崎高校(川崎区)の小坂仁教諭が国内サッカー指導者の最上級ライセンス「S級」受講者20人のうちの1人に選ばれ、資格取得に向け励んでいる。
講習は12月まで実施され、その後は指導試験、海外での研修などもあり、道のりは長い。小坂教諭は「非常に高い壁だが、学校、地域、川崎のサッカーレベルの底上げ、教育活性のために役立てたい」と意気込む。
国内最上級ライセンス
S級ライセンスは、日本サッカー協会(JFA)公認の最上級指導者資格で、保持者はJリーグや日本代表の監督を務めることができる。小坂教諭はこれまでに元日本フットボールリーグ(JFL)監督を務めることができるA級を取得。S級取得には研修参加による長期休暇が必要なことから当初は挑戦を考えなかったというが、A級資格の講習時に日本代表の福西崇史さんと親交を深め、実力の違いを実感。「さらに上のレベルを目指そう」と挑戦を決意し、3年目の試験で受講資格を得た。
取得すれば、川崎市の公立学校として初のライセンス保持者となることから、学校も協力体制を敷いた。現在は月曜日から木曜日は講習会、金曜日だけ学校で授業を行っている。
研修ではJリーグの試合の分析やコミュニケーション、メンタルトレーニングのノウハウ、マネジメント学などを座学と実践で学ぶ。「40歳にして怒られる日々を過ごしている」と小坂さんは話す。一方で「Jリーグ監督などは明日どうなるかわからない身分で戦っている。彼らの一言一言発する言葉の重みを痛感した」と語る。「個性あふれるプロ選手にプレーの意図などを伝えなければならない。そのためにも納得させる理論とぶれない軸が必要」(小坂教諭)。
研修会ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)など様々な分野で活躍している人と接する機会も多く「こうした経験を学校や地域のサッカー関係者はもちろん、授業でも還元し、川崎で発信力のある人材を育てていきたい」と話している。
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