箱根・湯河原・真鶴版
公開:2015年4月24日
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湯河原に暮らした文豪・谷崎潤一郎(1886〜1965年)の没後50年にちなんだ「谷崎潤一郎展」が横浜市の神奈川近代文学館で開かれ、湯河原ゆかりの品も展示されている。
そのひとつが、熱海から湯河原・湘碧山房へ転居した際のお知らせ用地図。「みかん畠」や「自動車は通れません」「上り坂」などの表記もある。同館展示課の野見山陽子さんは「谷崎は海を眺めて暮らすのが好きで、みかんの花を楽しみにしていた。この一枚から色々な事が分かります」。もう一つは死の1週間前に湯河原から出したはがき。春琴堂書店(京都府)所蔵の品で、谷崎が『実存主義辞典』を京都の書店へ注文するために書いたもの。新作の資料だったらしい。谷崎は湯河原で「新々訳源氏物語」や短編随筆の「七九歳の春」「にくまれ口」を執筆、死の直前まで書き続けた。当時は右手の痛みに悩まされていたため字が乱れている。開催は5月24日まで、月曜休館。詳細【電話】045・622・6666。