小田原〜三島の箱根旧街道を盛り上げようと、国交省が11月26日まで初の社会実験を行っている。三島からのバス便の増強や三島からのレンタカーの乗り捨てを加え、観光地箱根の西隣にも光を当てた実験だ。
小田原から箱根・芦ノ湖方面へのバス便は豊富だが、元箱港〜三島駅のバス路線は一つで、30分〜1時間に1本しかない。実験では20分に1本の割合で増便(土日限定)したほか、三島発のレンタカーの乗り捨て場を箱根峠駐車場に2台分確保。旧街道に歩いて下れる仕組みを用意した。史蹟・山中城近隣の周遊を増やすため、近くの公民館に古い宿帳や籠などを集め期間限定で展示している。こうした取り組みを約1ヵ月間続け、歩行者数やアンケートを取り、観光客の動きを分析する予定だ。
スカイウォークや新バイパス完成
山中自治会の市川美徳会長(63)によると「ここ数年、旧街道を下るハイカーが増えきた」と話す。近くには三島スカイウォークも誕生し、来場者が200万人を突破したほか、新しいバイパスも開通し箱根町内のような渋滞は少ない。
実験の効果次第でバス便が増える可能性もある。実験に参加している三島市商工観光課は「箱根の観光客が2千万で、三島は780万。なんとか箱根から三島へ観光客が動いてくれたら」と期待を寄せている。