全日本製造業コマ大戦で全国大会出場を決めた 岩佐 勇さん 五光発條(株)勤務 50歳
人生ものづくり
○…ばねメーカーの五光発條(株)(五貫目町・村井秀敏社長)。生産部で働く傍ら、中小製造業者が自作のコマを戦わせる「全日本製造業コマ大戦」に参加し、コマの製造、回し手を務める。1月29、30日に行われた南関東予選で2位に入り、来年行われる全国大会の出場が決まった。
○…車の整備工場に勤めていた父親の影響で、幼い頃からものづくりの世界に触れてきた。工業高校に進学後もバイク修理や製品組立などのアルバイトを積極的に経験。ものづくりへの興味を深めるとともに、現在に繋がる仕事を体で覚えていった。「この道以外は頭になかった」と、卒業後の進路にも迷いはなかった。村井社長がきっかけでコマ大戦に参加したのは約2年前。「私の回すコマが長く回り、いつの間にか会社の代表で大会に出ていた」と当時を懐かしむ。自社製品を作る機会が無い製造業にとって「コマという自社の看板製品を作ることが日々のモチベーションになっている」。笑って話す姿はまるで少年のよう。
○…「手作業なので誤差が生まれやすいが、その分愛着は人一倍ある」。コマ作製の機械を業務の主としていないため、手作業の旧式を使用。始めは加工しやすい鉄を材質にしていたが「大会に出ても1回戦負けだった」。負け続けたことで火が付き、業務の合間を縫って作戦を練る日々。これまで作ったコマは約100個に上る。「自分に合った形を出せるかが大事。加工を本職にしている人たちには負けたくない」。30年近いばね作りの経験を生かし、徐々に勝ち星を伸ばしていった。
○…妻と二人暮らし。趣味の釣りは小学生から40年続けている。奥多摩まで足を延ばすこともあるが、「今は専らコマ大戦だね」と第2の趣味に没頭している様子。「中小企業の意地を見せたいし、コマを通じて企業同士が協力し合い、互いの発展に繋がれば」と願う。ものづくり一筋の芯の強さを垣間見た。
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