「二ツ橋亭平楽」として、毎月第3日曜日に南部寄席を開くアマチュア落語家の 平久江(ひらくえ) 勝彦さん 二ツ橋町在住 71歳
心込め、喜怒哀楽を表現
○…「やるなら好きなことを」と、定年後に始めた落語を披露した数は1000席以上。「楽しいと言って聞いてくれる人もいる。それが嬉しいんだ」と笑みがこぼれる。住み慣れた町から名前を取って、「二ツ橋亭平楽」。5年前に二ツ橋南公園にできた集会所で月1回、南部寄席を開くほか、出前寄席も行う。「昔の話でも、今の人と喜怒哀楽は同じ。それを表現できるのは面白い。今後も続けていきたい」と前向きだ。
○…生まれは栃木県。7歳で神奈川区新子安に移り住んだ。神奈川大学2年の頃に瀬谷区へ。当時を思い返しながら、「昔は畑が多くて自然も豊かだったけど、今は森林も随分減ってしまったな」と寂しさを滲ませる。新宿末廣亭などの寄席に足を運び、落語を楽しんでいた学生時代。柳家小さんや古今亭志ん生を好み、カセットテープやCDを繰り返し聞いては、独学で覚えていった。
○…港運会社を2005年に退職後、出前寄席をスタート。最初こそ緊張したが、人前で演じ、笑いが起こる楽しさを実感した。「出来が良い時悪い時、両方ある。お客さんは表情や態度にはっきり出るのが良い。やる以上しっかりしなきゃと気持ちが引き締まるよ」。地域ケアプラザ、グループホーム、自治会などを週2回のペースで回り、落語以外に小話やクイズも取り入れる。「ただ聞くだけではつまらないでしょう。問いかけて返事をしてもらって、雰囲気を作らないと」。お気に入りの演目は「火焔(かえん)太鼓」。夫婦の掛け合いや、主人の不器用だが一生懸命な姿に共感するという。
○…声出しを兼ね、市民の森への散歩が習慣だ。「ここなら大きな声も出せるしね」と朗らかに笑う。さらにマラソン歴20年という一面も。三浦市で開催されるマラソンに参加し、「10キロのタイムはギリギリだけど、まだ続けられるよ」と気合は充分。マラソンで培った体力で、好きな落語をこれからも届けていく。
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