絵本「ぼくはチョココロネやさん」の絵を手がけた 川尻 杏子さん 阿久和東在住 44歳
縁や経験糧に作品彩る
○…病気や障がいがある子どもの「きょうだい」の想いに焦点をあてた絵本「ぼくはチョココロネやさん」の絵を担当。主人公のモデルの母・榮島佳子さんと話し合いを重ね、約3年かけて制作した。水彩絵の具や色鉛筆を使いながら、別の絵を切って貼るなどして丁寧に作り上げたという。また、榮島さんの子どもの写真を見て表現したというシーンもあるといい、「めくるのが楽しい一冊にしたくて。親子のコミュニケーションツールの一つになれば嬉しい」と思いを語る。
○…榮島さんとは息子が通っていた鍼灸院を通じて知り合ったという。鍼灸院のホームページのイラストを描いたことはあるが、絵本のイラストは初の経験。「自分にできることなら」と引き受け、仕事の傍ら作り続けてきたという。大変さよりも楽しさが勝る3年間だったと同時に「病気の子どもやその兄弟の想いを知る機会にもなった」と語る。
○…10歳の時に埼玉県から瀬谷区へ。原小、原中学校の卒業生で子どもの頃から絵を描くことが好きだった。武蔵野美術大学に進学後は、染色や版画技法などを学びながら、陶芸にも没頭。また、子育てをしながら地域活動の方法などを学ぶ「せやまるタウンカレッジ」にも参加するなどフットワークの軽さを見せる。「興味があることも含めて、人と関わることが好きなんだと思います」と笑う。
○…今回の作品を機に今後も絵本づくりを続けていくという。「もっと表現したいと思ったし、できるかもしれないと感じた」と意気込む。「子育てを含むこれまでの経験や地域の方との縁があってこその今。ずっと大切にしていきたい」--。出会った人との想いを混ぜて、作品を彩っていく。
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