25周年を迎えた「横浜芸術学院アカデミー」設立者で瀬谷区スポーツダンス連盟顧問 鈴木 元也さん 旭区在住 66歳
「花が咲かねば実はならぬ」
○…約70人の会員を集める社交ダンススクール「横浜芸術学院アカデミー」。1月6日には市内のホテルで「創立25周年記念舞踏晩餐会」を行い、「18年連続で300人を超える参加者が集まったのは嬉しい限り」と盛況を喜んだ。一方で、競技者の高齢化を危惧し「若い世代にももっとダンスの魅力をアピールしたい」と気を引き締める。
○…ダンスとの出合いは19歳のころに行ったカルチャースクール見学。「他の教室より同年代の人が多くて楽しそうだったから」と始まりはささいなきっかけだったが、すぐに「ダンスの上品な芸術性と、パートナーが異性だという奥深さ」に惹かれた。「パートナーが何を考えているのか、女性の気持ちを理解するのはいつまでも難しい。でもそれが面白さ」。思いやりを重んじる心が、そこにはある。
○…自身の情熱に反して、当時は男女がダンスをすることに対して偏見や誤解が多く、風営法の規制も厳しかった。そんな状況を変えたくて、県社会人ダンス連盟や市内のスポーツダンス協会など数多くの団体を設立。20代後半で日本のアマチュア社交ダンスのトップ大会「三笠宮杯」の準優勝に輝いた実力派だが、競技者としての時間を削ってでも、「ダンスに対する誤解を、そうじゃないぞと広めたかった。もっと素晴らしいものなんだと」。大会の会場探しにも苦労し、やっと見つけた体育館でも、「床が傷つくから、運動靴でやってくれ」との条件を付けられた。そこで折れることなく「革靴にカバーをつけて、これで傷はつかないだろうと詰め寄った」。熱い一面も持つ。
○…休日はガーデニングを楽しみ、自宅兼レッスンフロアの周りでは、梅や桜をはじめ種々の植物を育てている。「これからの時季は花盛りだから、特に楽しみ」と春が待ち遠しい。「花が咲かないと実はならない。花になる人材が育ち、その後にダンス界が発展していけば」。若い芽を育てるため、心ある手入れを続ける。
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