(株)ツクイのデイサービス合同作品展を取り仕切る 福地 育美さん 港南区在住 25歳
”孫”が生きがい支える
○…介護事業を行う(株)ツクイのデイサービス9事業所は、港南区民文化センター・ひまわりの郷で合同作品展を初開催する。デイサービスの利用者たちが作ったちぎり絵や手工芸品を展示するこの企画の担当者に自ら志願。施設ごとの特色を出すべく作品選びにも念を入れ、レイアウトにも気を配る。「日々の作品を見てもらって利用者の生きがいや、やりがいを目で見て感じてもらえたら」。作品展への強い思いを話す。
○…福祉の道を志したのは高校生の時。母親が介護ヘルパーをしていた影響もあり、中学生時代から興味を持つが、当初は幼稚園教諭と介護職を比べて進路に悩んでいた。しかし、「おばあちゃん子だった」ことが決め手となり、高校在学中に通信教育でヘルパー資格の勉強を開始。中学生から始めたボランティアも続けながら、休日返上で講義に勤しむ忙しい日々を過ごした。「日曜がないのは当たり前だった」と明るく振り返るのは、心から介護の仕事が好きだからに違いない。
○…いい意味で「福祉の人っぽくない」と評されるその仕事ぶりは「やってあげる」という姿勢ではない。自分自身も高齢者と接することを楽しんで務めているからだ。25歳といえば利用者から見たら孫同然。花の名前や季節の食べ物などを孫に話すように教わることも多い。自らも「本当のおばあちゃんみたい」と感じることも多いのだとか。「自分はまだ人としては未熟だから」と謙虚な姿勢も”孫”としてかわいがられる理由なのだろう。
○…デイサービスの役割は利用者家族の介護負担を和らげることだけではない。今では元気な高齢者の居場所であり、利用者も日常の活動の中に生きがいを見い出すことが多い。外部に公開する今回の作品展もその一環だ。毎日の活動を通して楽しそうな利用者の姿を見ることが、自身のやりがいにもなっている。”孫”として利用者の生きがいづくりに尽力する日々は続く。
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