介護の仕事をしながらプロボクサーとして挑戦を続ける 和田 直樹さん 相沢在住 32歳
「2足のわらじ」で上目指す
○…「中途半端で終わってしまって。やっぱりボクシングがやりたくなった」。20歳からプロとして試合に出るも、首の怪我で重要な試合を断念。一時期離れていた間も頭の中には常にボクシングがあった。5月から介護職で生計を立てる傍ら、毎日のジム通いで体を鍛えるという多忙な「2足のわらじ」生活を送る。家族や友人、恩師の支えを糧に、再びボクサーとして挑戦する日々だ。
〇…旭区笹野台出身。旭高校2年の時、「かっこいいから」という理由で友人と訪れた、元世界チャンピオン・花形進氏が運営するジムでボクシングと出会う。当時は三ツ境から自転車で20〜30分かけて通い、練習に没頭した。本格的にプロをめざすきっかけとなったのは、高3で初めて挑んだスパーリング。「ボコボコにされ、悔しさを味わった。その時曲がった鼻が、やる気のスイッチだったのかも」と明るく笑い飛ばす。
〇…「よく専門は体育でしょと言われるけれど、高校の先生の影響で国語が好き」。国語教員試験に向けて勉強しながら、大学3年でプロライセンスを取得。4カ月後の初試合は、開始わずか30秒でノックアウトされ敗北を喫した。「なぜか勝てる自信があった。『次があるよ』という言葉が辛く感じた」。立て直して迎えた2戦目、初戦とは逆に90秒で鮮やかに勝利し、号泣するほど嬉しさを実感した。その後”転機”と語る30歳でのタイトルマッチは首の怪我で直前に辞退。「もう続ける資格はない」と精神的にも追い込まれた。それでも、居場所を作り続けてくれたジムの会長や周りへの感謝が絶えることはない。
〇…現在は、阿久和のデイサービスで働く毎日。「施設長は夢を追う若者を応援してくれる」と笑顔をみせ、恵まれた環境に背中を押されながら、「今はスタミナをつける時。ボクシングでチャンピオンになりたいし、仕事でも一人前になりたい」。野心を胸に、一歩を積み重ねる。
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