10周年を迎える「三ツ境小学校児童安全見守り会」会長を務める 山口 勇喜雄さん 三ツ境在住 77歳
地域駆け回る「素浪人(すろうにん)」
○…下校する子どもたちを見守るため発足した「三ツ境小学校児童安全見守り会」。3月27日、10周年の記念式典が行われる。会長になって5年。「雨だろうが風だろうが、毎日ずっと立ってくれた仲間には感謝の思い」。子どもたちとの会話も楽しみの一つだ。最近のゲームを教えられたり、逆にベーゴマの回し方を教えたりと、コミュニケーションを通して現代の教育にも思いを馳せる。「子どもとの関わりの中で何かできることはないか。この活動は続けていきたい」
〇…磯子区出身。1945年、終戦を機に家族で秋田県に引っ越した。日本海に近い町に住み、「カレイやハタハタを海岸で見つけて夕飯のおかずにしたことも」と懐かしそうに思い返す。中学で横浜に戻ると、「東北の方言が染み付いちゃって、標準語がなかなか話せなかったな」と笑顔に。卒業後は養成工制度の下で昼間は機械の部品製作、午後は勉強に励む日々。職業訓練校では一年間、自動車整備の技術を学んだ。
〇…航空機の点検や修理、パイロットに整備状況を伝える「航空整備士」として就職。数年後、国家資格が必要な整備士の卵を育てる教官として抜擢され、20年近く現場に立ち続けた。相手にするのは20代の若者たち。「自分の言ったことがどう伝わるか、伝わったことがどう生かされているか」。人に教えることの面白さを味わった。「安全に飛ばすことが第一。何百人もの命を預かる責任があった」と仕事人の顔が覗く。
〇…瀬谷区に越してきた40年前、何より星空の綺麗さに驚いた。当時は外から来た者として見られることもあったが、積極的に地域活動に携わるように。自治会長や灯篭祭りの実行委員、依頼されると庭木剪定の手伝いまで地域を駆け回り、自らを「素浪人」と表現する。10年続いた活動に対し、「会員の高齢化や災害時の対応など、対策をしていかないと」。まだまだ貪欲に走り続ける。
|
|
|
|
|
|