瀬谷消防署長に就任した 青木 哲郎さん 東京都在住 59歳
地域の安心を第一に
○…「住んでいる人たちが安心できること。それが第一」。常に人と接する仕事だからこそ、思いやりや、互いに信頼することの大切さを実感してきた。「切迫した状況ならなおさら普段の訓練が大事。落ち着いた対応ができれば、信頼関係も築ける」。その上で、自身の仕事は「動きやすい状況を整え、いかに職員を支援できるかどうか」だと話し、新たな環境作りに励む。
〇…藤沢市出身。実家は長後駅の近くで、現在の泉区や戸塚区は慣れ親しんだ土地。「小学生の頃はドリームランドまで友達と行って遊んだな」と笑顔で振り返る。高専へ進学後、大学へ編入。工業化学を専攻した。就職について考えていたある時、民間企業で働く父親から消防の立ち入り検査の話を聞いた。当時、大阪の千日ビル火災などをニュースで目にし、頭の片隅にあった消防の仕事。改めて、火を消すだけではないと気付き、「これまで自分が学んできたことを生かしながら、幅広い仕事ができるかもしれない」と、消防の道を目指した。
〇…１９７９年に入庁。初任地は中消防署だった。通常の消火活動のほか、レスキュー隊としても活動。以後、予防課の危険物担当や消防用設備設置のための査察係など、さまざまな部署を担当した。出張所長を務めていた時、阪神淡路大震災が発生。防災の機運が各地で高まる中、地元の消防団から「訓練をやらないか」と持ちかけられた。それまで直接関わることは少なかったというが、「自分たちで街を守ろうという気持ちがありがたかった。行政だけでは出来ないこともある」。地域との連携を意識した出来事だった。
〇…「気になることは、まずやってみる性格」と明るく笑う。学生時代はスキーに夢中になり、仕事で必要だと分かるとダイビング資格を取得。最近はゴルフ熱が再燃中だ。「何事も楽しむことかな」。これまでの経験を生かし、新天地での一歩を踏み出す。
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