「三曲会」メンバーとして文化活動に携わり、瀬谷文化協会から表彰された 冨樫 高さん 相沢在住 84歳
文化発展に尽力し30年
○…尺八、三味線、筝(そう)の「三曲会」が瀬谷区で立ち上がったのは1990年。尺八の奏者として当時からメンバーに名を連ねる。また、瀬谷文化協会副会長として円滑な運営にも尽力。このほど、約30年に及ぶ活動が協会から表彰された。「好きなことをやって、精進する。一生懸命やることが大事」。さまざまな文化活動が下火になりつつあるという実感もあり、「少しでも地域で触れる機会があればと思う」と語った。
〇…山形県出身。実家は農業を営んでいた。20代半ばに上京し、磯子区の八百屋で一から仕事を教わった。その後、細谷戸にあった支店を任されることに。独立し、相沢で店を構えた。当時は商店街がにぎわい、青年会でも中心となって活躍。「本音を通す性格だから大変なこともあったけど、充実していたよ」と笑顔を見せる。現在は小売りをやめ、保育園や学校に野菜を納入するなど、息子や孫とともに働く「現役」だ。
〇…尺八との出会いは50歳を過ぎてから。知人が演奏していることを知り、試しに吹いてみると、「意外にもピーと音を出すことができた」と感動を覚えた。尺八の流派の一つ、新都山流の「師匠」に指導を受けながら練習を繰り返し、師範の資格を取るまでにのめり込んだ。「皆と合わせて演奏するのが楽しい。尺八で良い音が出せた時はゾクゾクする。何よりお客様からの拍手が嬉しい」。秋は定期演奏会、新春は大華展・大茶展など、発表の場を大事にする。三曲会では長浜恵以山(えいざん)会長のもと、渉外を担当。文化協会との橋渡し役として奔走している。
〇…「健康第一。体調が良くなったら孫やひ孫たちを呼んで、家族で大集合したい」と楽しげに語る。体調を崩し手術をしてからは尺八も休み中だが、いつでも再開できるよう、仕舞わず傍らに置いてあるという。「吹いた時の、あの感覚をまた味わいたいね」。好きなことには前向きに、挑戦する姿勢を続けていく。
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