ルリタテハ文:清水道夫(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより 142
11月、瀬谷市民の森を散策しているとクヌギやコナラの幹の周りを蝶や蜂が飛び交っているのが見られた。近づいて暫く見ていると幹に止まった一頭の蝶が翅(はね)を開いた。黒い翅に、翅の少し内側に沿って淡い瑠璃色の帯状の線と前翅の先端に白い斑のある美しい模様が目に入った。直ぐにルリタテハだと分かった。
翅の裏側は褐色の濃淡模様なので、翅を閉じているとクヌギ等の木肌模様に近く余り目立たないが、翅を開いた時の美しさは格別だ。
本種はタテハチョウ科に属し、平地から山地に生息。夏型(6〜8月)と秋型(9〜11月)があり、大きさは3〜4cmで雌の方がやや大型。秋型は成虫で越冬する。このため、春先の暖かい日に翅がボロボロになったルリタテハを見掛けることがある。食草はサルトリイバラ、ユリ類等であるが、幼虫は庭のホトトギスなども食すとのことである。この時期、クヌギやコナラの樹液に集まり、時にスズメバチと樹液の取り合いをしているルリタテハが見られる。
|
|
|
|
|
|