ピラカンサ文:清水道夫(瀬谷環境ネット) 写真:中村多加夫(同) 瀬谷の生き物だより166
晩秋から初冬の街中、あちこちの庭でピラカンサが真っ赤な果実をたわわに付けているのが目に入る。ピラカンサ(別名、トキワサンザシ)は西アジア原産のバラ科の低木で、明治時代に渡来し、枝一杯に赤く熟した果実をつけることから人目を引き人気となった。
樹高は2〜5m、葉は2〜5cmの長卵形で枝には鋭い棘がある。成長が早く、動物の形などに刈り込んだトピアリーとしても人気がある。
5〜6月に白い小花を密に咲かせ、その後7〜8mmの扁平な球形の果実を付ける。10月になると果実は光沢のある鮮やかな赤色に熟し、人目だけでなく野鳥の目も引き付け、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ等の小鳥たちを喜ばせる。
我が家の庭にもピラカンサが一本あり毎年赤い果実をつける。3年ほど前、11月にツグミが一羽飛来、他の鳥が近づくと追い払い果実を独り占めにしようとしていた。そして年を越す前にすべて食べ尽くしてしまった。今年はツグミの渡来が多いとの便りが聞かれる。
因みに、中国原産で橙黄色の果実を付ける同属別種のタチバナモドキもピラカンサと呼ばれる。
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