不登校の子どもの親同士が、悩みを共有できる場を――。川崎市立小学校の元教諭、竹内春雄さん(68)が「不登校を考える親の会川崎の会」を毎月開いている。参加者からは「前向きになれた」という声が挙がっている。
文部科学省が昨年発表した調査によると、全国の不登校の児童、生徒は約12万6千人にのぼる。
「市内のどの学校でも約2〜3%は不登校があり、その数だけ悩んでいる親がいる」と話す、井田小学校の支援学級など市内小で約40年間教鞭を執ってきた竹内春雄さん。不登校の子どもが全国的に増加する中、「保護者を支える場が市内にない」として3年前、「不登校を考える親の会川崎の会」を発足させた。
活動はかわさき市民活動センター(中原区)で月1回、参加者は毎回5人から7人ほど。主なテーマは「親を元気づけること」だ。
一人で悩む母親支える場を
特に不登校の子どもの母親は、周囲から「子育て失敗」との批判を受けがちで、悩みを相談する相手もなく一人で抱え込んでしまうケースが多い。保護者が自分を責め、余裕がなくなると、一方的に学校に行かせることを最優先に考える。しかし「それは子どもから見ると、気持ちを理解してもらえていないと映って親子関係が悪化し、問題解決から遠ざかってしまう」と竹内さんは危惧する。
実際、参加者の中には、怪我を負うほどの親子喧嘩が止まなかった事例もあったという。「不登校の理由はいじめや人間関係、将来への不安などさまざま。決して子育ての失敗ではないと知るだけでも、気持ちが楽になる」と竹内さん。また「生きているだけでいい」「不登校でも構わない」という、保護者の受け止め方を変えることも解決の糸口になると指摘する。
参加者の中には、不登校の問題を解決した人や、学生時代に自ら不登校を経験した人もいる。そうした実体験も共有していく中で、参加した保護者からは「親子関係が改善できて、前向きになれた」「子どもがやりたいことを見つけて自立してくれた」といった声も挙がっているという。
今後の日程は2月18日、3月18日の各回午後2時から。参加無料で当日参加も可。問い合わせは同会の竹内さん【電話】044・422・6557。
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