「原川をきれいにする会」の会長を務める 濱田 英治さん 海老名市本郷在住 66歳
諦めない強い心で
○…「自分が生まれ育った場所をキレイにしたい。汚いのは嫌だよ」。本郷に流れる原川の美化活動を展開する「原川をきれいにする会」の会長。ゴミの投げ捨てなどで汚れた川を見かねて一昨年に発足。川の清掃や側道の植栽を行い、今月18日には川に蛍を放し鑑賞会を開催する。「子どもたちに蛍を見せてあげたい。それですこしでも環境に関心を持ってもらえればいいね」
○…会発足のきっかけは55歳で勤め先を早期退職し、自治会活動を始めたこと。会社員時代に単身赴任で7年ほど都内に勤務。自宅に戻るたびに住みなれた風景が変わっていくことに寂しさと危機感を感じていた。幼い頃から大好きだった、生まれ育った自然。「やっと本腰を入れて活動できる」と自治会ではライフワークとなる環境美化活動ともうひとつ防犯活動にも力を注ぐ。とにかく世話好きで頼まれると断れない。現在は防犯パトロールにも参加し、本郷コミセンでは館長も務める。「人の上に立つタイプじゃないんだけど、うまく乗せられてるのかな。でも人から指示されるのは嫌いでね」
○…生まれも育ちも本郷。幼い頃、原川にはナマズやウナギ、蛍も身近な存在だった。しかしそんな遊び場も高度経済成長による開発の波が押し寄せると、自然はいつしか減り、共生していた動物たちは次第に姿を消していった。夏のある日、都会育ちの妻と蛍を獲りに出掛け、ガラス瓶に100匹以上獲った。家に帰り三面鏡にガラス瓶を映すと中の蛍が何千匹にも見え部屋の中が蛍の光と月明かりで幻想的な雰囲気に包まれた。「30歳位だったかな。それ以来見ていないよ」。淋しそうにうつむいた。
○…昔のような風景に戻そうと考えているわけではない。開発と同時に環境を整備すれば動植物と共生できると信じている。「『蛍なんか無理』という人もいるけれど、そうは思わない。諦めたら終わりでしょ」
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