5月5日にチャリティコンサートを開く綾北中マーチングバンド部 部長 中村 優太さん 綾瀬市上土棚中在住 15歳
群に属さず、広く優しく
○…3月11日、帰りのホームルーム中の激震。余震や交通網の乱れに街は騒然となり、部活や外出も禁止になった。演奏会は中止、めったに連休のない部活も5日間休部になった。テレビに映る被災地に、自分たちができることを思案。その最中、ライバルだった秋田県のチームが、体育館が壊れながらも青空チャリティを行ったと聞き、黙ってはいられなかった。節電や余震の危険から集客を懸念する人にも理解を求め、チャリティ実施を懇願した。
○…連合運動会でマーチングに出会い、小学6年生の12月から練習に顔を出し始めた。学区外への登校も両親を説得。一目惚れした打楽器「スネア」パートも射止めた。全国連覇の強豪チーム。先輩に追いつけ追い越せと、音譜も読めなかった時分から3年生の先輩に必死で喰らいついた。手指は水ぶくれを繰り返し、変形するほど大きなタコが。一瞬の微妙なズレもすぐに目立ってしまうため、メトロノームと全身鏡を前にスティックの振り幅や姿勢を細かく見て何度も練習を重ねた。「才能ない方なので」。今でも毎日の練習は欠かさない。1日でも練習を休めば、不安や恐怖さえ覚える。
○…スポーツ好きの父母からセンス受け継ぎ、幼少からスポーツ万能。そんな少年の「文化部」入部には「もったいない」という声もあったが、周りに左右されず我を貫くスタンスで突き進んだ。練習に明け暮れ、こんがり日焼けし、体力や音感、表現力などを駆使したパフォーマンスは見た人の心を変えていく。今春1年生になった同じDNAの弟も、背を追うように入部した。
○…嫌なことも、見えないことも、全部やる。怒られる仲間がいれば、共に怒られ反省。何がいちばんチームの為かを考える。「部長は上から引っ張るのではなく、下から支え持ち上げるものだと思います」。先輩の真似だけでなく、今の仲間での、最高のものを作っていく。
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>