救急医療功労者として県から表彰を受けた 名取 穣治さん 海老名総合病院勤務 57歳
走り続ける熱いドクター
○…「妹が亡くなったことがきっかけで医師への道を決めました。当時は幼く『死』というものが分かっていませんでした。物心がついてくるうちに事態の大きさを理解してきました」。人生の道はショッキングな出来事から決まった。必要な時間の中で必要な医療を施し、患者一人ひとりと向き合い「後悔しないようにやり切ること」をモットーに日々の仕事に取り掛かっている。
○…学生時代は医学部にいながらも陸上、水泳、スキー、モトクロスバイクなどなど数々の競技をこなすスポーツマン生活で青春を謳歌していたが、卒業と同時に生活は一転。「ご飯の時間は5分。1年のうち家に帰れたのは5日間。72時間寝ていなくても、先生から『おれも寝てない』の一言返事だけ。信じられないような研修医生活でしたね。逃げ出した仲間を送ったこともありますよ」と苦笑いする。そんな駆け出し時代に出会った日本のトップにいた医師の後押しで「救急医」の道へ。3カ月間の船上、八丈島、槍ヶ岳などあらゆる環境で医療活動に従事した経験を持つ。「処置台がある中での医療がいかにやりやすいかを痛切しました。船酔いや連日の酒盛りなど、医療以外のことも学びましたけどね」と顔がほころんだ。
○…「出来ないなら辞めろ」。技術はあっても気持ちが無ければ手術室で立つことは許されない。手術に取り掛かるときは頭の中で3回シミュレーションを行い本番へと向かう。「プロ選手と同じように責任を持つには多くのことを背負って絶対に勝たなければいけないんです。後輩の成長も甘くしないで見守るんです」と心の温かさを伺わせた。
○…多忙な中の休日でも自分を鍛えるため、ジムでのトレーニングは欠かさない。また地域の活動にも積極的に参加。「今年も神輿を担いだし、廃品回収の手伝いなんかも一生懸命ですよ」と、どんな活動にも走りっぱなしだ。
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