「県優良小売店舗表彰」に選ばれた「うなぎ割烹むさし」の店長を務める 宮本 直秋さん 今里在住 57歳
生涯かけて、味を追求
○…「海老名の鰻といえば『むさし』と言われるようになれ」。若くして店長に就任する際、修行先の恩師からそう背中を押された。それから40年近くが経ち、サービスや味が特に優れた店を認める県の「優良小売店舗表彰」を受賞。名実共に恩師の言葉を体現した。「できるだけ美味しいものを提供すべくこだわってきた点を評価して頂き、とても嬉しい」と頬を緩める。
○…高校時代、友人の兄が経営するレストランでアルバイトを始めたことがきっかけで飲食業に足を踏み入れた。20歳の時、母が営んでいた鰻屋を受け継ぐことに。「当時は店周辺の人通りも少なく、経営の知識も足りず手探り状態でした」と振り返る。恩師にアドバイスを仰ぎ、鰻の焼き方を工夫するなど、試行錯誤を重ねる中で出会ったのが「アツギ(株)」の創業者・堀禄助氏だった。「とても気に入って、来客の際は必ず『むさしを頼め』と言って下さった。時間を守ることの大切さや立ち振る舞いなどもずいぶん教えて頂きました」と懐かしむ。
○…現在は、妻と姉の3人で店を営んでいる。そんな家族の姿を見てか、高校生の娘も「将来はパティシエになりたい」と語り出すように。「夢のきっかけのどこかに、飲食業に携わる私たちの影響があったら嬉しいねぇ」と照れ笑い。仕事の息抜きは、テニスやゴルフなどのスポーツ。特にテニスは10年以上続けており、早朝や終業後にコツコツ練習を重ねている点からも「職人らしい真面目さ」が伺える。
○…こうばしい香りが漂う店内の壁には、モットーである「串打ち3年、裂き8年、焼きは一生」の言葉が貼り出されている。「技術を身に付けるまでにはそれだけの時間と努力を要するということ。まだまだ、味の追求は続きます」と真剣なまなざしで語る。「職人は何歳まででも仕事を続けられる。そのためにも身体に気を付けて頑張りたい」と続け、気を引き締めた。
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