万年筆愛好家グループ「萬年筆くらぶ」を主宰する 中谷 宗平さん(ペンネーム:中谷でべそ) 海老名市国分南在住 64歳
万年筆に魅せられて
○…万年筆を愛する全国約400人の会員からなる同好会を1993年から主宰し、業界では知る人ぞ知る有名人。会員がしたためた万年筆愛あふれる文章を掲載する年3回の会報「フエンテ」作成と年一度の交流会が主な活動で、会費はとらずに運営を続けてきた。「会費なしが長く続く秘訣。発送まで一人でやるのであまり休む暇はないが楽しい」と微笑む。
○…島根県出身で、豊かな自然で遊ぶ少年だった。現在のハンドルネームは当時「でべそ」だったことが由来。中学生になり、学習雑誌に付いていた万年筆を手にした。「ペン先から青色のインクが出てきて驚いた。それから現在まで日記は万年筆で書いている」。大学進学を機に上京し、神奈川県の高校数学科の教員試験に合格すると海老名市へ。和泉高、綾瀬西高、大和南校、弥栄高で教鞭をとった。
○…転機は30歳。長女が誕生した記念にと、近くの店で半値で売られていたモンブラン「146」を購入すると「今までの万年筆はなんだったんだ」と衝撃を受けた。万年筆市場の縮小に危機感を覚え、ネット掲示板にグループを作ったのが会の前身。「故郷の白浜海岸が開発で消滅した苦い思い出がある。ふと海岸と万年筆が重なり、良いものを残す活動をしたいと思った」
○…万年筆の最大の魅力は個性があり、ぬくもりのある文字になることで、はがきは年間千通書く。「要件はメールでも心情ははがき。メール送信はどっと疲れるが、万年筆で書き上げると活力が湧いてくる」。万年筆を画材とした絵にも挑戦し、最近では海老名の風景を描く。「現代人は急いで生きすぎている。壁に当たったときは、その辺りをうろうろする時間も必要。万年筆はそのゆとりを与えてくれます」
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